2015年発表の帝王切開瘢痕症候群の診断基準とは!?
New diagnostic criteria and operative strategy for cesarean scar syndrome: Endoscopic repair for secondary infertility caused by cesarean scar defect
著者:Tanimura, Satoshi; Funamoto, Hiroshi; Hosono, Takashi; Shitano, Yasushi; Nakashima, Masao; Ametani, Yuka; Nakano, Takashi
雑誌名:J. Obstet. Gynaecol. Res.
年度:2015
【Summary】
【方法】
子宮筋層の厚さが2.5mm以上で、子宮が前屈みまたは直立している女性には子宮鏡下手術それ以外の女性には腹腔鏡下手術。
子宮鏡下手術では瘢痕部の切除と凝固を行い,腹腔鏡下手術では瘢痕部の切除と子宮鏡下手術の併用と再縫合を行った。
【結果】
術後1年以上経過した22名の女性のうち14名(63.6%)が妊娠した。妊娠したのは、子宮鏡手術を受けた4人の女性すべて(100%)と、腹腔鏡手術を受けた18人の女性のうち10人(55.6%)であった。子宮鏡手術を受けた4人の女性のうち3人が経産婦でした。腹腔鏡手術を受けた女性のうち、5人が満期分娩を迎えました。子宮破裂の症例はなく、分娩方法はすべての症例で帝王切開であった。
【ポイント】
いままで帝王切開瘢痕症候群の診断基準はなかった
子宮残存筋層2.5mmは切迫子宮破裂の論文から引用されてるカットオフ
腹腔鏡と子宮鏡を併用するかどうかの基準選定につながる
【コメント】
現在二人目不妊の原因として有名になりつつある帝王切開瘢痕症候群ですが、
富山県立中央病院谷村悟先生の重要な論文です。不妊にかかわる産婦人科医は必読の論文です。